アインシュタイン・理性を捨てさせた魔力〜「相対論」はやはり間違っていた

著者:科学ジャーナリスト・窪田登司
   東北大学教授・早坂秀雄
   岐阜大学教授・後藤学
   関東学院大学名誉教授・馬場駿羣
   常識から相対論を考える会・森野正春・竹内薫・日高守・石井均

徳間書店・本体1748円・第1刷94年1月31日

購入日:98年9月25日  購入場所:愛・舞・魅(古本屋)  購入価格:900円


この本は、8人の作者による論文集とでもいうものになっています。
ということで各作者間に知識レベルのはるかな隔たりがあり、一概に批判はできません。
もっとも作者間で言うことが矛盾していたりしているのはこういう本にありがちなことですが。
ちなみにこの本、古本ですが、前の所有者が重要と思われるところに赤線をひいてたりしてます。
そやつがこれを信じていたのかと思うとなんか怖い。
批判はあくまで私の脳味噌だけでやってて参考文献なんてまったくないので、間違いも多々あるかもしれないがそのときはすまぬ。


常識をもって相対論を考え直す:森野正春

 この章だけ、他の作者を飛び抜けて低レベルです。はっきり言ってまともに読むのがアホらしくなってきます。 この章を最初に持ってきた編集者のセンスを疑います。
 彼の主張を一言で言うと、「運動すると遅れる時計」は、実は「遅れて狂った時計」である、というものです。
 この作者は相対論を全く理解していないし、理解しようともしていないし、誰も理解していないものだと思いこんでいます。
作者の武器は、「常識」これだけです。言ってはなんだがはっきりいって私よりも頭悪いです。

 作者の妄想は激しく広がります。
相対論は誰も理解できないのだから質問はタブーとされている、
20世紀の人間は遅れて狂った時計などというものを受け入れたと21世紀の人に非難される、
20世紀にも遅れて狂った時計を認めないで拒否した常識人がいた証拠を残しておかねばならない、
相対論が100年も君臨したことは後世の最大の喜劇となり、その他のおもしろおかしい話はすっかり影が薄くなって見向きもされなくなり、タモリ、タケちゃん番組などはすっかりすたれてしまい、芸能界では失業者が大勢出ることであろう。
と、来たもんだ。

 最後に相対論について7つの命題が表されています。
1.相対性理論は「時間のおくれ」という意味のない概念を土台にして成立している。
2.物理学者も哲学者も「時間のおくれ」の意味を説明することができない。
3.相対性理論による遅れた時計と狂って遅れた時計を見分けることができない。不可識別者同一の原理によって、両者は同じものである。
4.相対性理論の権威とカリスマ性の正体は、狂った時計である。
5.相対性理論により時計が遅れたとしても、それはニュートン物理学における、時計の針の回転運動の遅れに過ぎない。
6.相対性理論では、宇宙旅行をすると時間が遅れるので人は年を取らないというが、常識では昔から、そういう場合、時間が遅れるのではなくて、ただ単に人の寿命が延びるという。
7.1905年、アインシュタインは光の速度の問題が解けなくて、時間と空間の問題にすり替えてしまった。かくして、20世紀人の頭は果てしなくこんがらがる。

 簡単に反論などを。
1.別に時間の遅れが土台というわけじゃないんだが。土台は光速一定である。まあ同じことか。あっこれ反論になってねえや。
2.説明できます。なんせ私だってできる。あなたが理解できないだけでは?
3.前者は追実験によって確認可能であり、後者は不可能であるところから見分けることができます。 そもそも彼は現在の計測精度が分かっているのであろうか。
4.毎回全く同じように時計が狂うのならば、それを正しい時間といっても差し支えはない。
5.デジタル時計は?
6.これで作者が完全に相対論を理解していないことがわかります。光速に果てしなく近い速度で飛べば、あっという間に1万年かそこらはたつのだが、それでも寿命が1万年にのびたとかいうのだろうか。 ちなみに当事者にとって時間は延びていません。
7.こんがらがってるのはあなたの頭だけだって。


相対論は崩壊する:窪田登司

 とりあえず光は障害物がないかぎりまっすぐとんでいき、太陽で光路に変化が生じるのは障害物のガスなどのせいだそうだ。
するとブラックホールを完全に否定していることになるが。
 あと、作者は相対論の検証実験が全然されていないといっているが、実際はたくさん行われています。
 作者によると、レーザーを照射すると受光ポイントが10メートルにつき1ミリほどずれるはずだといっていますが、いくらなんでもそんな誤差が出たらすでに気づかれていると思うのだが。
そんなに誤差があったら、素粒子どうしをぶつけてどうたらという現代の素粒子物理学なんかやってられないと思うのだがいかに?


エーテルと新しい非対称重力理論:早坂秀雄

 出た!重力制御だ。
重力の非対称性が崩壊している、ということが実験で立証された、ということらしい。簡単にいうと右回りのこまは左回りより少し軽くなる、というものである。
これが本当ならば一般相対性理論はまちがっていることになります。
が、どうやらそうはならなかったようです。他のグループのより精密な実験によって否定されたそうです(「トンデモ本の世界」より)


相対論を打ち砕くシルバーハンマー:日高守

シルバーハンマーとは、理論にとって脅威となる関数だそうな。
E=mc2は単位がおかしいからだめだと。正しくはこうじゃないのだが。
以下わからん(おいおい)


一般相対論と量子力学の概念的矛盾:竹内薫

 別におかしいところはないような気がする。
というか量子力学と相対論が矛盾しているのは自明のことだし、それにこの著者は相対論が間違っているなどとは言っておらぬが。
なんでこんな所に論文を書いているのか謎。


時間と空間を混同している相対論:石井均

 時間とはある時刻とある時刻の差であり、時刻は座標系の取り方で変化するものではない。だから時間も変化するものではない。だが相対論では光速が一定なので時間が変わることになる。なぜ光速度を使って時空を変化させなければならないかの根拠は全くない。
と、いっていますが、もちろんなぜ時空が一定で光速度を変化させなければいけないかという根拠も全くありません。

 重力と加速は同じだというのが等価原理である。しかし自由落下しているエレベーターの中は無重量状態だが、このときは実際には引力があるのだから見かけの無重量である。また宇宙空間に浮かんでいるときは、真の無重量状態である。
これが別物だと作者は言うが、もちろん作者の言葉以外にこの二者が別物だという証拠はありません。 区別する理由がない限り区別する必要はないと思うのだが。 現在重力質量と慣性質量が同じだということは非常に高い精度で観測されています。


世界線の屈折と光速度不変の原理の見直し:馬場駿羣

 まずローレンツ短縮に文句をつけています。
ローレンツ短縮とは、相対運動しているものの長さは進行方向に縮んで見えるといものです。最初はエーテルの検証実験(マイケルソン・モーレーの実験)が失敗したためつじつまを合わせようと現れた理論でしたが、それが実は相対論における距離の圧縮と同じものであったので、現在でもローレンツ収縮と呼ばれています。
 2台の宇宙船をロープで繋ぎ、2台が同時に速く動いたら圧縮がおこりロープが切れるはずではないか、といっていますが、実際は相対運動してる物体全てが縮んで見えるので切れたりはしません。
このとき宇宙船内部からロープを見ると静止しているときと同じに見えます。
 後半では光速度不変の原理を言い換えます。「速度vで動いている光源から出る光は観測しなければc+vで走っているが、観測するとcとして観測される」だそうな。二点間の距離を移動する時間を計れば簡単に検証できそうなものですが。


相対性理論のどこがおかしいか:後藤学

 ある点から右に0.8c、左に0.8cでものを飛ばすとその相対速度は1.6cとなり光速を越えてしまうのだ!と寝ぼけたことが書いてあります。
こうした明確な形での指摘は歴史上本書が初めてです、と書いてありますが、もちろん誰もこんなこと指摘する必要がなかったから指摘しなかったのは明白です。
 ほかは数式ばかり出てきて大変なので省略。


巻末資料

巻末資料として、マイケルソン・モーレーの実験は方法が間違っている、実際はエーテルは検出されているのだ、という論文が載っています。
詳しくは理解できないので(笑)省略。
地球の絶対速度はv=360±40kms-1、δ=-24度±7度、α=12.5h±1hだそうな。


私にも理解できるようなミスを堂々と言ってたりするように、彼らには勉強が足りないようです。

 私は専門家でもなんでもないんで私の文章にはいいかげんなところが多々含まれております。
科学的に正確な批判はhttp://216.239.53.100/search?q=cache:DeMK8e6xRT8C:www.tenchi.ne.jp/~rszk/FAQ/Sci/Axion2.txt+%E6%A3%AE%E9%87%8E%E6%AD%A3%E6%98%A5&hl=ja&lr=lang_ja&ie=UTF-8 あたりをご覧下さい。



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