外見だけで人を判断する技術

渋谷昌三  PHP文庫  514円

購入日:2000/01/25頃

 タイトルを見ただけで内容の99%は理解できます。 思わず購入に走ってしまった私の思いも理解してくれることでしょう。

 さて、内容ですが、言うまでもないですが、そのまんまです。 あまりに安直すぎて涙が出てきます。
こんな世迷いごとを本気にしてしまう人間がいるのだろうか、と本気で悩むくらいです。 まあ、下に書いてある例を並べておきますから、真偽のほどは自分で判断してください。
また、「あるいは」「もっとも」という語が多いのも笑えます。 例外のない法律はない、と言いますが、この本は例外が多すぎます。
あと、「反対に」とほとんどの内容が二分法によって分割されています。 てなわけで一方だけ載せておくので反対の人は反対の性格だと思ってください。

流行の髪型にする→幼児度高い
ハゲ→男っぽい
白髪染め→まだ若いと思いたい
ゲタのような顔型→がんばり屋
顔が大きい→図々しい
色黒→仕事のできる男
目が大きい→素直
二重まぶた→気軽で浮気性
眉毛が太い→迫力があって一本筋
福耳→金運がいい
耳が大きい→他人の意見を取り入れる
耳の血色がいい→仕事ができる
鼻が高い→鼻っ柱が強い
鼻の穴が大きい→おおらかで隠し事をできない
鼻の下が長い→いつも楽しく不満のない人
口が大きい→エネルギッシュで行動的
唇が厚い→愛情があつい
口がきりっとしている→意志力が強く流されない
背が高い→優越感と自信がある
太っている→社交的で親切、気分にムラがある
筋肉質→粘り強くひとつのことに執着する
眼鏡が金縁→クールで知的
黒縁→自己顕示欲強い
べっこう→保守的で枠をはみ出さない人
サングラス→警戒心が強く気が小さい
コンタクトレンズ→容貌に自信がある
スーツをカジュアルにくずす→仕事のできる実力派
ブランド→同調性が高く疎外感を持つ
茶色のスーツ→ケチ
帽子をかぶる→おしゃれで自意識強い
結婚指輪をしている→保守的で守りの仕事をする
ネックレスをつける→見栄っ張りで自信がない
デジタル時計→せっかち
ブランド時計→堅実で合理的
腕時計をしない→不自由さを嫌う
ネクタイをしない→やる気がない人間。あるいは自信がある
ネクタイがストライプ→無難で他人の評価を気にする人
ネクタイが似合わない→自分を客観視できず他人の言うことを受け入れず柔軟性もない
紐付き靴→社会人として成熟して将来を見通せる人
がに股→あけっぴろげ
安物の靴→ファッションにうるさい隙のない人
傘が折り畳み→父の権威をほしがらない
傘が黒い→自分を軽く見られたくない
紺→知的、クール
赤→自己顕示欲強い
黄色→落ち着きがなくて子供っぽい
傘を忘れやすい→出世欲のない人
煙草を吸う→依存心が強く不安
外国銘柄の煙草→見栄っ張りで気障
煙草を吸っていいか聞く→相手に礼儀を尽くす人
コーヒーを飲む→仕事バリバリの男っぽいタイプ
コーヒーにミルク、砂糖を入れる→甘いラブロマンスが好き
銘柄コーヒー派→何にでもこだわる人
青色が好き→内向的で客観的、まじめ
紫が好き→高慢で感性が鋭い
紫が嫌い→無口で孤独、正直
モノトーン好き→秘密主義でマイペース
居酒屋好き→他人に開放的
ビール党→雰囲気が好き
日本酒、ウィスキー好き→酔うのが好き
酒の銘柄にこだわる→グルメ
酒飲んで仕事の話をする→ストレス大
店で一人で飲む→さびしくてわがままで社会不適応
酔って乱れない→自制心が強く有能だが爆発するパワーがない
カラオケ嫌い→プライドが高く面倒見がいい
演歌好き→義理人情に厚くドラマチックな状況に弱い
ヒット曲ばかり歌う→褒め言葉に弱い
寿司はお任せ→相手を信頼できる人
最初にトロ→冒険を好まない常識人
卵焼き好き→繊細で女性的
長男→おっとり、まじめで責任感強い
次男→競争心が強く処世術に長ける
末っ子→愛嬌があるサービス人間
一人っ子→一人でこつこつ仕事をできる
愛読書が古典→権威に弱く体制派
愛読書がベストセラー→現実的で行動的、反抗的
歴史物好き→出世欲にあふれる
ビジネス書派→まじめだがうだつがあがらない人
システム手帳→合理的で論理派
会社の手帳→形より実を取る、几帳面
手帳に日記を書く→現在、未来を大切にせず何にも活用できない
海外旅行はハワイ派→現実逃避型
香港派→上昇指向型
ヨーロッパ派→伝統指向
アメリカ派→未来指向
インド→目に見えない世界にあこがれている人
昼食がそば派→協調性があって決断力がない
社員食堂派→仕事の能率が悪い
レストランで同じものを頼む→イエスマン
趣味がゴルフ→向上心がある体育会系
テニス→中途半端
読書→論理的
音楽→論理より直感
ゴロ寝→人生疲れ気味
散歩→スーパービジネスマン
ロングヘア→女性っぽい
美人→精神的に不安定
服装が派手→傷つきやすく不安な人
目をじっと見つめて挨拶する人→優位に立ちたい人
深くお辞儀する人→商談をうまくおさめたいと思っている
初対面でも親しげに身体を触る人→自信がある
強く握手をする→負けないからな
握り返さない→やる気がない
手に汗をかいている→人見知り
この例を全部読んだ人→貴方は暇人です

 まあ、こんなふうに安直すぎてしょうもないことが延々と書いてあります。 太っていて口元がきりっとしていて二重まぶたで眉が太くて顔が大きくて 長髪でサングラスをしていて散歩が趣味の人は 一体どのような性格になってしまうのでしょうか。
 後半には、相手を誘い込む上級心理術などというものが載っています。 こんな本を読まなくてもまっとうに社会人として生きていれば 当然知っているようなことしか載っていません。 セールスのトークはまず「話だけでも」から「ひとつだけでも」へと、とか、 話が固くなったら身内のことにでも話を逸らす、とか、 どこが上級やねん、みたいな。
 最後のページにはこう書かれています。

論理より感情、これが説得術の基本なのだ。 論理が間違っていても、感情的にOKなら説得されてしまうのです。
 著者はこの基本技術を自分の著作には使用しなかったみたいです。
いや、したのかな?
まあ、どちらにしろ論理的に間違っているものは間違いです。

 最後に、この本で最も笑える箇所を紹介しましょう。

さて、女性が髪を切ると、すぐに、
「失恋したの?」
という短絡的発想になってしまう男性がいるようです。
これほど自爆している発言も珍しいのではあるまいか。



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